【VSCODE】Xdebug+Docker+PHP環境構築を行う

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docker

今回はDocker環境でxdebugを使うの紹介です。

Docker Desktopのインストール

Dockerをインストールします。
ここではDockerを触れる想定としてるので、インストール手順は割愛させていただきます。

Dockerfile作成

Dockerfileを作成してxdebugをインストールしましょう

FROM php:8.0-fpm-buster
RUN pecl install xdebug-3.1.6 && docker-php-ext-enable xdebug

PHPのFPM(FastCGI Process Manager)環境を構築し、Xdebugをインストールして有効化しています。

  • FROM php:8.0-fpm-buster:ベースイメージとしてPHP 8.0を使用
  • RUN pecl install xdebug-3.1.6 && docker-php-ext-enable xdebug:Xdebugをインストールして有効化

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php.iniの設定

php.iniに設定を記述していきます。

zend_extension=xdebug
xdebug.mode=debug
xdebug.log=/var/log/xdebug.log
xdebug.log_level=10
xdebug.start_with_request=yes
xdebug.client_host = host.docker.internal
xdebug.client_port = 9003

zend_extension=xdebug

  • 説明: PHPにXdebug拡張を読み込むための設定です。この行が有効化されることで、Xdebugの機能がPHPに追加されます。

xdebug.mode=debug

  • 説明: Xdebugの動作モードを指定します。debugモードは、リモートデバッグを可能にするための設定で、IDEと連携してデバッグを行うことができます。

xdebug.log=/var/log/xdebug.log

  • 説明: Xdebugのログファイルの保存先を指定します。デバッグセッションの情報やエラーメッセージがこのファイルに記録されます。

xdebug.log_level=10

  • 説明: ログの詳細度を指定します。10は最も詳細なログレベルで、すべての情報が記録されます。デバッグ中の問題の診断に役立ちます。

xdebug.start_with_request=yes

  • 説明: 各リクエストの開始時に自動的にデバッグを開始する設定です。yesに設定すると、毎回のリクエストでデバッグセッションが開始されます。

xdebug.client_host = host.docker.internal

  • 説明: リモートデバッグを行う際のクライアントホストを指定します。host.docker.internalは、Dockerコンテナからホストマシンを指す特別なアドレスで、Docker環境でのデバッグ時によく使用されます。

xdebug.client_port = 9003

  • 説明: Xdebugが接続するリモートデバッグクライアントのポート番号を指定します。この設定では、ポート9003が使用され、XdebugがIDEに接続するためのポートとして利用されます。

VSCODEのXdebugをインストール

拡張機能から「Xdebug」をインストールしてください。

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launch.jsonの作成

サイドバーからデバックを選択して、lanch.jsonを作成します。

.vscode/launch.json

デバッカーの選択が表示されるので、各用途に合わせてデバッカーの選択をしてください。

Browse Lite

  • 用途: 簡易的なブラウザ環境でのデバッグを行うための設定です。軽量なブラウザを使用して、主にWebアプリケーションのテストやデバッグを行う際に便利です。
  • 使用例: フロントエンドの動作確認をする際に使用。

Docker: Debug in Container

  • 用途: Dockerコンテナ内で実行されているアプリケーションをデバッグするための設定です。Docker環境でアプリケーションを動作させている場合に利用します。
  • 使用例: Dockerで構築されたアプリケーションの問題を調査する際に使用。

Node.js

  • 用途: Node.js アプリケーションをデバッグするための設定です。サーバーサイドのJavaScript開発で主に使用します。
  • 使用例: Node.jsベースのAPIやバックエンドサービスのデバッグに使用。

PHP (Xdebug)

  • 用途: PHPのコードをXdebugを使用してデバッグするための設定です。PHPアプリケーションの詳細なデバッグを行うのに役立ちます。
  • 使用例: PHPプロジェクトのコードにブレークポイントを設定し、実行時にコードの流れを確認する際に使用。

Web アプリ (Chrome)

  • 用途: Google Chromeを使用してWebアプリケーションをデバッグするための設定です。フロントエンドのデバッグを行う際に便利です。
  • 使用例: Chromeのデベロッパーツールを活用して、JavaScriptのエラーやスタイルの調整を行う際に使用。

Web アプリ (Edge)

  • 用途: Microsoft Edgeを使用してWebアプリケーションをデバッグするための設定です。フロントエンドのデバッグを行う際に便利です。
  • 使用例: Edgeのデベロッパーツールを活用して、ブラウザ特有の動作を確認する際に使用
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今回はPHPのデバッグになるのでPHP(Xdebug)を選択します

launch.jsonの記述

launch.jsonを以下のように書いてください。

{
  "version": "0.2.0",
  "configurations": [
      {
          "name": "Listen for Xdebug container",
          "type": "php",
          "request": "launch",
          "port": 9003,
          "pathMappings": {
            "/var/www/html": "${workspaceFolder}/",
          }
      }
  ]
}

pathMappingsについての詳細です

WORKDIR /var/www/htmlがDockerfileに記述しているWORKDIRになります。

WORKDIR /var/www/html

${workspaceRoot}はホストのパスになります。

 "pathMappings": {
     // DockerfileのWORKDIRパス  ホストパス
     "/work/backend": "${workspaceRoot}/"
  }
  • DockerfileのWORKDIRパス: /work/backend サーバールート
  • ホストのディレクトリパス: ${workspaceRoot}/ ローカルルート

ブレイクポイントおいてdebug

設定が全て終わったら、ブレイクポイントを置いてアプリを動かしてみてください。

行数の横にクリックすることで、ブレイクポイントを置くことができます。

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うまくいかない場合

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うまくいかない場合は、今回の例では既存の設定を無視して別途、Xdebugの設定を追加します

1. Dockerfileの作成

Dockerfileの作成を作成していきます。
こちらは先ほどと同じですが、既に作成できているのであれば次へ進んでください。

# Dockerfileの作成
cat > Dockerfile <<EOF
FROM php:8.0-fpm-buster
RUN pecl install xdebug-3.1.6 && docker-php-ext-enable xdebug
EOF

2. Dockerイメージのビルド

「xdebug-container」というイメージを作成します

docker build -t xdebug-container .

3. docker-php-ext-xdebug.iniの作成

php.iniとは別で、docker-php-ext-xdebug.iniファイルの作成と書き込みを行います。

# Xdebug設定ファイルの作成
cat > docker-php-ext-xdebug.ini <<EOF
zend_extension=xdebug
xdebug.mode=debug
xdebug.log=/var/log/xdebug.log
xdebug.log_level=10
xdebug.start_with_request=yes
xdebug.client_host = host.docker.internal
xdebug.client_port = 9003
EOF

4. テスト用のファイル作成

テスト用にhtmlディレクトリとindex.phpを作成します。

# テスト用PHPファイルの作成
mkdir html
cat > html/index.php <<EOF
<?php
\$xdebugTestA='xdebugのテストAです';
\$xdebugTestB='xdebugのテストBです';
?>
EOF

4. launch.jsonの記述

launch.jsonを改めて作成します。
もし、リモートとローカルのpathMappingsの設定違う場合は以下にしておいてください。

{
  "version": "0.2.0",
  "configurations": [
      {
          "name": "Listen for Xdebug container",
          "type": "php",
          "request": "launch",
          "port": 9003,
          "pathMappings": {
            "/var/www/html": "${workspaceFolder}/",
          }
      }
  ]
}

コンテナの起動とスクリプトの実行

Dockerコンテナを実行し、指定された設定ファイル、ディレクトリをマウントし、index.phpを実行してXdebugのログを表示します。

# Dockerコンテナの起動とテストファイルの実行
docker run -i --rm --name xdebug-container \
  -v $(pwd)/docker-php-ext-xdebug.ini:/usr/local/etc/php/conf.d/docker-php-ext-xdebug.ini \
  -v $(pwd)/html:/var/www/html xdebug-container bash -x <<EOF &
sleep 20
php index.php
cat /var/log/xdebug.log
EO
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以下補足です

docker run -i --rm --name xdebug-container \
  • docker run: 新しいDockerコンテナを実行するコマンドです。
  • -i: コンテナの標準入力 (STDIN) を有効にします。
  • –rm: コンテナの実行が終了したら自動的に削除します。
  • –name xdebug-containe: コンテナの名前をxdebug-container に設定します。
 -v $(pwd)/docker-php-ext-xdebug.ini:/usr/local/etc/php/conf.d/docker-php-ext-xdebug.ini \
  • -v: ホストのディレクトリやファイルをコンテナ内にマウントします。
  • $(pwd)/docker-php-ext-xdebug.ini: ホストの現在のディレクトリにある docker-php-ext-xdebug.ini ファイル。
  • /usr/local/etc/php/conf.d/docker-php-ext-xdebug.ini: コンテナ内のファイルパス。この場所にホストのファイルがマウントされます。
-v $(pwd)/html:/var/www/html xdebug-container bash -x <<EOF &
  • $(pwd)/html: ホストの現在のディレクトリにある html ディレクトリ。
  • /var/www/html: コンテナ内のディレクトリパス。この場所にホストのディレクトリがマウントされます。
  • xdebug-container: 使用するDockerイメージの名前
  • bash -x: コンテナ内でBashシェルを起動し、デバッグモード (-x) で実行します。
  • <<EOF &: 次の EOF までの部分を標準入力としてBashに渡し、バックグラウンドで実行します。
sleep 10
  • sleep 10: 10秒間待機します。この間に他のプロセスが実行されることを想定しています。
php index.php
  • php index.php: コンテナ内でindex.phpを実行します。 index.php/var/www/htmlに存在しなければいけません
cat /var/log/xdebug.log
  • cat /var/log/xdebug.log: Xdebugのログファイルを表示します。
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これによりindex.phpが実行され、ブレイクポイントが止まらなかった場所も、止まります。

hostsXdebug

Posted by kami